複合材料モデルをADVENTUREで、解析する方法について説明します。
ADVENTUREシステムでは複合材料を解析する場合、異なった材料の接合面が完全に同一であることという制約があります。
このため図1のように材料Aと材料Bの接合面形状が異なっている場合、ADVENTUREではメッシュが切れずエラーとなります。
このようなモデルを解析する場合、ちょっとした工夫で解析が可能となります。
具体的なやり方としては、2つのやり方があります。
パターン1:
最初の方法は、材料Aの接合面を解析結果に支障の無い程度、出張らせる方法です(図2)。こうすることで材料Aと材料Bの接合面を完全に同一にすることが出来ます。
この方法のデメリットは、材料Aの接合面が少し凸形状になってしまい正確な解析ができないことです。
解析的には凸量を小さくしてゆけば、凸量の影響を小さくすることが出来るのですが、それに伴いメッシュが小さくなり消費メモリ、計算時間も増えてしまうので、適当な凸量を選択する必要があります。
なおこの手法は、境界条件を平面の一部に適用する場合も使うことが出来ます。
具体的なメッシュ生成手順は、例えば以下のようになります。matA.igsが材料AのIGES CADファイル、matB.igsが材料BのIGES CADファイルです。
> ADVENTURE_TriPatch matA matA
> ADVENTURE_TriPatch matB matB
> mrpach matA.pcm matA.pcg matB.pcm matB.pcg -o model1.pcm -g model1.pcg -v model1.wrl
> advtmesh9p model1 -d -p
> advtmesh9m model1c -p
> advtmesh9s model1c
パターン2:
2つ目の方法は、材料Aを2分割する方法です。分割は図3のように、材料Bとの接合面が同一になる立体で材料Aを材料A0と材料A1の2つに分割してしまいます。
こうすることで、材料A0と材料A1の接合面は同一、材料A1と材料Bの接合面は同一となり、解析可能となります。
A0とA1には同じ材料パラメータを定義することで、A材、B材の複合材料解析が可能となります。
この手法のデメリットは、解析ステップ数が増えて、解析手順が煩雑になることです。
具体的なメッシュ生成手順は、例えば以下のようになります。matA0.igs、matA1.igsが材料AのIGES CADファイル、matB.igsが材料BのIGES CADファイル。
> ADVENTURE_TriPatch matA0 matA0
> ADVENTURE_TriPatch matA1 matA1
> ADVENTURE_TriPatch matB matB
> mrpach matA0.pcm matA0.pcg matA1.pcm matA1.pcg -o tmp1.pcm -g tmp1.pcg -v tmp1.wrl
> mrpach tmp1.pcm tmp1.pcg matB.pcm matB.pcg -o model1.pcm -g model1.pcg -v model1.wrl
> advtmesh9p model1 -d -p
> advtmesh9m model1c -p
> advtmesh9s model1c