A09_ADVENTURE solid 大変形解析

ADVENTURE solidでは、大変形解析のオプションが用意されています。
大変形解析と言えば、陽解法の解析手法が一般的ですが、陰解法であるADVENTURE solidでも大変形解析が可能です。
ADVENTURE solidで、どのような大変形解析が可能か理解いただくため、解析事例を2例紹介したいと思います。
ADVENTURE solidで大変形解析を行うにあたり、注意すべき点が2点ほどあります。
1点目は、発散の問題です。陰解法で解く限り避けて通れないのですが、ステップ数を細かく設定する必要があり、かなりのCPUパワーを必要とします。
2点目は、接触の問題です。ADVENTURE solidには接触をチェックするコードが、現状では備わっていません。例えば1本のパイプを折り曲げるとします。折り曲げてゆくと実際の場合では、どこかで接触し始めます。しかしADVENTURE solidでは接触のチェックがされないので、接触してもお互いすり抜けるように計算されてしまいます。
以上の2点に気を付けると、大変形解析も可能となります。
1例目は、12mm x 9mm x t0.6mmのAl板のスタンピング加工例です。押し出し量5mmまで計算してみました。アニメーションは同じ解析結果を、表側からと裏側から同時表示しています。変形量1倍、すなわち実変形表示にしてあります。押し出しに伴い、周りの板部が引き込まれている様子などが良くわかります。

2例目は、135mm x 65mm x 200mm 厚み6mmの二重角Alパイプの大変形です。パイプ上面を100mm押し込んだ計算結果です。表示はパイプ外側、および断面を表示1倍で表示させています。押し込みに従ってパイプが、複雑に変形する様子が再現されています。

Hide (2016.10.9)