立方体の中に円柱を内包する部材の応力解析を行いました。
複合材料を想定して母材はエポキシとし、円柱は炭素繊維としました。
図-1に示すように4つのボリュームに分けないとADV_on_Winではメッシュが切れません(と思ってましたが、この認識は後で間違いであると判明しました。しかしやり掛けたので取り敢えずこの形状で解析を進めます)。青をVolume 0、青緑をVolume1、黄緑をVolume2、赤をVolume3とします。
立方体は1辺が40mm。円柱は、直径が20mm、長さが20mmです。炭素繊維にしては太過ぎますがご勘弁を。
Volume0.gm3dファイルです。1辺が40mmの立方体をY=0の平面で半割にし、負の領域だけ取り出した物に更に半径10mm、長さ10mmの円柱状の刳り貫き(くりぬき)を形成した物です。円柱は正36角柱で近似しております。
box -20 -20 -20 40 20 40 circle 0 -10 0 10 0 0 0 1 0 36 extrude 0 10 0 subtract
Volume1.gm3dファイルです。Volume0.gm3dの2行目と3行目と同じですね。Volume0の刳り貫き部にぴったり嵌る円柱です。繊維と言うには太いですが、例題なのでご勘弁を。
circle 0 -10 0 10 0 0 0 1 0 36 extrude 0 10 0
Volume2.gm3dファイルです。Y=0の平面に関してVolume1.gm3dと対称な形状です。
circle 0 0 0 10 0 0 0 1 0 36 extrude 0 10 0
Volume3.gm3dファイルです。Y=0の平面に関してVolume0.gm3dと対称な形状です。
box -20 0 -20 40 20 40 circle 0 0 0 10 0 0 0 1 0 36 extrude 0 10 0 subtract
こう言う形状データ記述方式は、一見すると大変なのですが、データの修正が本当のCADを操作するより楽だと思います。
新規解析ケース作成に於いては、形状モデルとして「ADV_Cad」を選択します。
基本節点間隔は3mm。
AdvCADファイル選択では、Volume0.gm3d~Volume3.gm3dをこの順序で指定します。この順序以外は試してません。
表面パッチ生成後、メッシュ生成。
生成要素数は、15,081個、節点数は、22,748個。表面形状補正にチェックを入れないとメッシュ生成に失敗します。
物性値を材料ID毎に入力します。
材料ID0と材料ID3はエポキシで同じ材料、材料ID1と材料ID2はカーボン繊維で同じ材料。
エポキシ樹脂のヤング率出典
https://www.kda1969.com/materials/pla_mate_ep2a1.htm
2400MPa
同ポアソン比
https://seihin-sekkei.com/plastic-design/poissons-ratio/
0.33~0.39の平均を取って0.36
カーボン繊維のヤング率出典
http://www.super-resin.co.jp/frp
PAN系は230~550GPa=230,000MPa ~550,000MPa
平均を取って390,000MPa
カーボン繊維のポアソン比出典
http://www.toyobo.co.jp/seihin/kc/pbo/zylon-p/bussei-p/ud.pdf
3-1-2の図より0.29と判断する。
境界条件の設定。
荷重は円柱をY軸方向に引っ張ります。
炭素繊維の方がエポキシより硬いので、Y=最大値の面のY変位は真ん中が窪みます。
外表面には最大応力点は有りません。
2つの材料の境界で応力が高くなっています。
Meshman_ParticleViewer_HPCだと図-12のようにエポキシを除去したコンター図の表示も可能です。
最大主応力は、応力-YY成分と似てます。やはり応力分布の傾向は主応力を見なくてはいけません。