CAD及びCAEソフトの使いやすさの検証
2000/8/2
日本機械学会2000年度年次大会
ワークショップW02
有限会社インサイト 代表取締役 三好 昭生
目次
■ インサイトの立場
■ 背景
■ CAEの使いやすさ
■ CAEユーザ支援システムとその評価
■ CADの評価テスト
■ まとめ
インサイトの立場
■ CAEのユーザインタフェースが専門
■ 関連技術
■ 自動メッシュ生成
■ ユーザビリティ工学
■ ソフトウェアエージェント
■ 認知工学
背景
■ IT革命
■ 製造業では設計開発の効率化が至上命題
■ 3D CAD/CAEの利用の促進
■ CAEは設計者にとって敷居が高い
■ CAEとCADの融合?
■ 使いやすさの重要性
CAEの使いやすさ
■ ユーザレベルによる違い
■ 初心者vs 経験者
■ 難しさの対象
■ ソフトウェアの操作方法
■ 有限要素法などの解析理論の難しさ
■ 数値処理に関わる難しさ
■ ユーザに要求される多くの知識
CAEに関わる知識
CAEユーザ支援システム-コンセプト
ユーザの自立を助けながらCAEに関わる知識を支援する自律的なソフト
特徴-CAEユーザ支援システム
■ エージェントに4つの支援機能
■ CADをCAEシステムに組み込んだ
■ メッシュジェネレータ内蔵
■ 形状モデリングとプリプロセスとのGUIが統一的
■ ソルバとポストは商用のものを利用
主たる機能-CAEユーザ支援システム
■ 解析操作の流れの全体像を提示
■ 操作プランの作成とユーザへの提示
■ エラー支援
■ 過去に起こったエラーとその後の回復操作を事例ベースに記録して活用
■ ユーザに必要な情報をランクづけして提示
■ ユーザの操作が停滞したときに、自発的に現れる
■ ユーザ及び状況依存でランクづけを行う
操作例-CAEユーザ支援システム
テストとアンケートによる評価結果
機能 |
質問内容 |
平均点(1−7点) |
FEA概要の紹介 |
FEA概要が操作に役立った |
4.2 |
|
FEAのイメージがつかめた |
5.6 |
手順のプランニング |
次に何をするか分かる |
5.3 |
|
ガイドが分かりやすい |
5.2 |
操作に詰まったら情報を提供 |
コンセプトの良さ |
4.9 |
|
性能 |
4.5 |
|
役立った |
4.5 |
|
ガイドのタイミングが適切 |
4.8 |
|
ガイドが理解しやすい |
4.5 |
|
項目ランキングが状況に一致 |
4.4 |
エラー時の支援 |
ガイドが理解できる |
2.8 |
CAEの使いやすさ再び-解析者の目
■ プリ
■ 半(全)自動のメッシュ生成が前提
■ 要素の粗密コントロールをうまく行う
■ 形の良い要素を生成
■ 全体自由度を 最小限に抑える
■ 四面体2次要素vs六面体要素
■ ポスト処理
■ 主応力ベクトルの表示機能
■ 応力コンター図は外挿と内挿を複数回行う
■ 等高線と元の積分点での値に矛盾
この先エージェントには何ができるか
■ 3Dモデリング操作の支援
■ 解析の操作ではなく解析自体の理解と戦略作成支援
■ 個別ソフトに依存しないエージェントが作れないか
■ ヘルプ情報の自動生成(追加)、自動ブックマーキング、自動再構成
テストの目的
■ CAD/CAE統合ソフト自動支援のためのデータ収集
■ ユーザに取って必要な情報は何か
■ ユーザが困ったと知るためのトリガーを探す
■ ユーザの理解の進展レベルの分析
テスト概要
■ MS Windowsベース3Dローレンジモデラ
■ テスタは大学の学部3年生
■ 26名を14グループ、最大2名
■ 同時に1グループ
■ 3D CAD操作経験23%、3D CAD受講経験15%
■ 専攻はシ ステム量子工学
■ チュートリアルの課題を3時間以内で作成
■ アンケート
■ 外見、操作、機能、性能、時間、エラー、フィードバック、ナビゲーション、メンタル
■ 1-7点、4点が中立
課題の一つ
アンケート結果
評価項目 |
平均点 |
プログラムの反応速度が適切だ |
6.3 |
楽しかった |
6.0 |
元に戻る操作が簡単に出来た |
5.8 |
自分が今何をやっているかわかる |
5.5 |
ウインドウの表示全般が好ましい |
5.3 |
モデルの修正/変更方法がわかりやすい |
3.5 |
エラー時のガイドが理解できる |
3.5 |
ヘルプの説明がよく理解できた |
3.4 |
システムからのメッセージにすぐ気づいた |
3.0 |
人間の指導なしで操作が出来た |
2.5 |
観察結果
■ 3D CADは非常に複雑なシステム
■ メニュー構造
■ データ構造
■ 表示機能
■ モデル作成方法の多様さ
■ 初心者のための対話性の確保
■ 提示すべきヘルプ情報の構造
■ What, why, how, what is available, shortcut,tips
■ ユーザ自身が困っていることを陽に意識していないことがある
理解レベルの進展
■ レイヤの場合
■ 言葉を知る
■ 一つのレイヤの概念
■ レイヤが切り替え可能であることを理解する。カレントレイヤという言葉。
■ カレントレイヤを切り替える操作、どれがカレントレイヤから表示から知る
■ レイヤの表示/非表示、その操作。カレントの切り替えとは独立
■ レイヤのロックという概念。ロック/アンロックの切 り替え方法
まとめ
■ CAD/CAEの使いやすさと設計開発効率化
■ CAEの使いやすさとは何か
■ CAEユーザ支援システムの開発と評価
■ CAEの使いやすさ(解析者の目)
■ CADのテスト
■ 同評価と考察
CAEから見たCAD
■ CADとCAEの関係
■ CAD to CAE
■ IGES、STEP等の中間ファイル
■ CADベンダ毎の固有ファイル
■ 表面パッチファイル(VRML, STL)
■ CAD/CAE統合型ソフト
■ CAE to CAD
■ 設計変更の反映
■ 同自動化(最適化設計)
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