「粒子法」を用いた大規模数値解析による
津波遡上のリアルな予測動画作成に成功
株式会社インサイト ( 東京都文京区、代表取締役三好昭http://www.meshman .jp/ )、九州大学大学院工学府建設システム工学専攻の浅井光輝准教授 ( http://www.doc.kyushu-u.ac.jp/kouriki/ ) と愛媛大学大学院理工学研究科電子情報工学専攻の一色正晴助教 ( http://ipr20.cs.ehime-u.ac.jp/ ) は共同で津波被害予測に向けた大規模数値解析を実施して津波遡上の様子をリアルな予測動画として可視化する事に成功した。
この津波遡上の数値解析は「粒子法」と呼ばれる手法を利用している。5000 万個の粒子を2m 間隔に配置した膨大な数値計算であり、スーパーコンピュータを使用してはじめて解析することができた。
この解析は、株式会社インサイトが実際の建物群および実地形の標高データから解析モデルを作成し、九州大学の浅井准教授が数値計算を行い、愛媛大学の一色助教が結果を基にCG ( コンピュータ・グラフィクス ) 動画を作成した。
これまでにない詳細な3 次元津波遡上解析により、より現実的な津波被害予測が可能とな り、住民に対しても具体的な形で被害予測を提示する事が可能になる。
この津波遡上解析では津波規模を事前に想定する必要があり、その前段階として震源から 想定した湾内迄の津波伝播シミュレーションを別途実施する必要がある。また将来的には、 建物等が崩壊していく過程までを解析していく予定である。なお、構造物の崩壊までを予測するには、粒子配置は10cm〜50cm 程度迄細かくする必要があり、その時の粒子数は5〜10 億個となる。その規模の計算は現在理化学研究所の計算科学研究機構において稼動中の「京」コンピュータ、あるいは次に計画されている次世代スーパーコンピュータを用いて初めて実施可能となるものと見積もっている。
以下は津波襲来の様子を示す静止画である。
|